【はじめに】
今回の問題は、前回の「今どこでしょうか?」から大分捻ってありますが、 地図が読める方対象で、その内の上級、中級、初級の、今回は初級の問題です。 と言っても、エリアが限られているので、そんなに難しくはありません。
ただし、机上で考えるのと、実際に迷った時に考えるのとでは、 精神的な状態がかなり違うので、全く違った見方をする可能性もあります。
まずは、机上で冷静な状況で考えてみて、 実際に迷った時に、この経験を活かしてもらえればいいかもです。
なお、この問題は、フィクションです。道も実際の地形と異なります。
【問題図】
【問題】
T子さんとH美さんは、もう何十年か振りで地元の山にハイキングに来ました。 昔は、学生時代に良く来ていた地元の山です。 H美さんは、学生時代は優秀な生徒で、T子さんのひとつ上の先輩でした。
二人は、朝10時に林道のバス停から山道に入って行きました。 ここは、道標は殆どありませんが、昔来ているので不安はありません。 それでもT子さんは、地図が直ぐ見られるように胸の前にぶら下げるようにしました。 コンパスは、殆ど使う必要がないだろうとザックの中にしまってあります。
地図上(図1)のA地点で丁度12時を過ぎたので、ここでお昼にしました。 見晴らしはあまり良くないですが、木々の間から遠くの町がかすかに見えます。
二人は、学生時代の話で盛り上がり、ついつい時間が経つのを忘れてしまいました。 時計を見ると、丁度13時40分を過ぎた辺りでした。
さっそく、後片付けして荷物をザックに入れて出発です。
ここからは、ルート図(図2)に示すように尾根道を辿り、最後は沢を下り 川筋の林道を歩くルートを考えています。
二人は、学生時代の話をしながら気持の良い尾根道を歩いて行きます。 大分時間が経ってから気が付くと登りに差し掛かっていました。
ここで、T子さんが地図を見て、
T子「登りはC地点の道の分岐の辺りね。ちょっと行き過ぎたかな」と
少し戻ってみましたが、Cの分岐は見当たりません。 おかしいなと思い、さらに少し戻ると、地図のB地点の分岐らしき 踏み跡がありました。
T子「確かにB地点ね」
じゃ、Cの分岐は、どこ?ということで、 山道を少し登ってみると右側に、なにやら大きな木が折れて倒れていました。 そこの横の木に赤テープが巻いてあります。
H美「ここ分岐じゃない」
ということで、倒木を回り込むと踏み跡らしき道が続いていました。
T子「なんだ、先の台風で倒れたんでしょ。先を急ぎましょ」
ということで、倒木を回り込んで先を急ぎます。
道は、斜面と並行に進んで行きます。 沢を2つ越えた辺りから、道が不明瞭になってきました。 なだらかな尾根上に辿りつくと道は無くなっていました。
ここでT子は、地図を再度確認しました。
道は、尾根の上ではなく、もう少し下の斜面上にあり、 そこから右側の沢に下って行っていることに気が付きました。
T子「きっと道が分からずに尾根の上まで出てしまったみたいよ。 少し戻って、斜面に行く道を探しましょ。」
二人は、来た道を戻り、斜面に行く道を探しましたが 道が不明瞭なので、どこが道だか分りません。
H美「ちょっと分からないわね。でもこの下の沢を下った先が林道なので、 ここから斜面を下方向に下ればいいんじゃない」
T子「それもそうね。ちょっと怖いけど、じゃ、行きましょ。」
二人は、右側の沢に下るようにゆっくりと慎重に斜面を斜めに下って行きます。 最後急な斜面を下り、やっと右側の沢に下りてきました。
そこからさらに下ると大きな沢に出ました。
T子「ここが林道の終点のある沢ね。」
H美「でも林道らしきものがないわよ。」
大分不安になってきたので、コンパスを取り出して 大きな沢の下流方向を確認すると、だいたい東の方向を向いてます。
さらに今下りて来た沢の上流方向を見ると、だいたい北西方向を向いています。
T子「林道のある沢は、ほぼ北向きだけど。。。。おかしいね。」
H美「迷ったんじゃない。。。今何時?」
T子「丁度15時00分ぐらいね。」
H美「まだ、暗くなるまでには時間があるね。」
T子「でも、うっそーーー。ちゃんとC地点は、右に入ったでしょ。
じゃ、どこで間違えたかな? 間違えるはずがないもん。
ここは、絶対林道のある沢よ。」
では、二人は、今どの辺りにいるでしょうか?
【解答】
解答はここを見てください。