はじめに
ここでは、現地を特定するための方法として管理人がいつも行っている方法を説明します。 管理人は、以下のような方法でまずは単純化しています。
例えば、目の前に尾根が3つあり、その角度や曲がりなども考慮しなくてはならない非常に複雑な場合は、 なにしろ単純に処理することです。
すなわち、同時に複数の特徴物を見るのではなく、その中の一つ目に注目してまずは特定する。 次に、二つ目に注目して特定を繰り返すことで、最終的に現在位置を絞ることです。
これに慣れてくれば、2つから3つの特徴物を同時に抽出して判断することが可能になります。
- ・前提条件:親指読みで現在位置を特定しながら進んでいる場合に、目の前に現れた場所を地図上で特定する場合。
なお、読図テストや知能テストの場合も、同じ方法で行います。
また、完全に現在位置を見失って、どこだかわからない場合も、基本は同じです。
ただしこの場合は、それまでに歩いてきたところの記憶も使う点が異なります。 すなわち、親指読みでは、親指の先の狭い範囲を探すのに対して、 迷った場合は、この範囲が広い範囲になります。 この範囲は、迷ってからの時間に比例して大きくなります。
- ・現地を見て地図上で場所を特定する方法(管理人の場合)
- @一番重要な特徴物とその位置に注目し、それだけを抜き出して、頭の中で図形化し、地図上で同じ場所を探す。
- A同じような場所が複数出て来た場合は、次に2番目に重要な特徴物で、@と同じことを繰り返す。
- Bこれを3番目、4番目と繰り返し、最終的に1点に絞り込む。
- A同じような場所が複数出て来た場合は、次に2番目に重要な特徴物で、@と同じことを繰り返す。
注)上記を素早くやるには、なにしろ経験が全てです。
経験が豊富であれば、図形のイメージ化は、何度も似たような形状を見ているので直ぐ図形化可能です。 さらに一番重要な特徴物も、経験上、何が重要かを何度も経験しているので、これも一目で分かります。 従って、初心者の方が、特定に時間が掛かるのは、慣れていない事もあり仕方のない事です。
重要な特徴物を見抜くテクニック
- 重要な特徴物とは
- 素早く現在位置を特定するには、どれに注目するかが一番重要です。
これが出来てないと、特定に時間が掛かるばかりか、地図上で迷ってしまうことになます。
どれが一番重要かを直ぐ見抜くには、やはり現地での地図読みの経験がとても重要な役割を占めます。 それを特定すれば、大体の位置は分かってしまうというものを最初に見つけます。
以下の例で何が重要でしょうか?
より大きな地図で P056 を表示 |
- ・普通の方は、高速道路に目が行きます。これだけで特定しようとしてもとても無理です。
- ・この例では「道が先で右に曲がっている」が一番重要な特徴物です。これが分かれば、地図上で道が先で右に曲がっている地点は「黄」だけです。
- ・この例のように、何が重要なのかを見抜く力(テクニック)を見に付けましょう。
- ・この見抜く力が読図では一番重要になります。
- 拾い出しの基本
- ・遠くにあるものは、二の次です。
- ・近くにあり、地図上で表現可能な特徴物の中で、他にはない特徴をしているものを拾う。
- ・それを特定すれば、大体の位置が分かるものを最初に拾う。
- ・どのような特徴物を拾えば良いか。
- ・地図上で確実な変化点がある以下のような特徴物。
- ・道の曲がり/分岐
- ・地形の変化点(鞍部、コブ、沢・尾根の曲がり/終端/分岐)
- ・点状特徴物(橋、崖、小屋、鉄塔)
- ・地図上で確実な変化点とはどういうことか
地図上に記されている内容で、現地において他とは違う特徴をしている部分で この部分を特定すれば、ここにいると判断が付くもの。
親指読みで進んでいる場合は、通常、チェックポイントが変化点に該当します。
- ・親指読みで進んでいる場合の例
現在位置から親指読みで距離・時間を考慮して進んで行き、 次に目の前に現れた風景が地図上で確実な変化点(チェックポイント)であれば その位置に親指を進める。
例)不明瞭な登山道を進んでいる場合
- @尾根線が右側に曲がっている地点を特定して親指をこの地点に進める。
- A次に尾根線が真っすぐ進み、今度は左側にカーブしている地点を特定して親指をこの地点に進める。
- Bさらに尾根線が真っすぐ進み、右側に沢が見えた地点を特定して親指をこの地点に進める。
親指読みでの拾い出し例は、読図のテクニック/親指読みのページを参照して下さい。
図形化テクニック
- XX感を備える
目の前の風景(3D映像)を真上から見た2D図形に変換するには、まずは以下のxx感が備わっていることが大事です。
- ・距離感:そこまでどのくらいの距離がありますか。
- ・目に見える範囲内で10m〜50m、それ以上
- ・高度感:そこまでどのくらの高低差がありますか。
- ・目に見える範囲内で2m〜30m、それ以上
- ・配置感:どのように配置されていますか。
- ・建物と道の位置関係
- ・尾根と沢の位置関係
- ・形状感:どのような形をしていますか。
- ・曲がりの角度
- 道、沢、尾根、川などの線状特徴物
- ・浅い、深い、広い、狭い、急、緩やか
- 沢、尾根、崖、道、斜面
- 頭の中で図形化する
xx感が備わっている状態で、目の前の3D映像を真上から見た2D図形に変換し、変換したイメージを頭の中に描くことです。 変換する範囲は目の前の特徴のある景色だけを変換すればOKです。従って、目に見える範囲外までを図形化する必要はありません。
- 図形化の例
例えば、道の分岐があれば、その角度だけを意識すれば、真上から見た図形には簡単に変換できますよね。
→ |
道の曲がりであれば、曲がり初めまでの距離、曲がりの角度、どちらに曲がっているかを捉えて変換して下さい。
→ |
見た目の方向のまま図形化(手前が下、先が上)する。
→ |
地図上探索テクニック
図形化したイメージと同じ場所を地図上で探すには、以下のように行います。
- 地図を回転(正置)するのか、頭の中を回転するのか
これは地図を回転(正置)出来るなら、地図を回転(正置)してから探す。
注)ただし、親指読みで地図を正置していれば、地図を回転する必要はありません。
- どこを探すのか
- 親指読み
- ・親指の先もしくは周り
- ・最後に確認した場所(親指の先)からの移動時間でおおよその距離が分かるので、親指の先を中心にその範囲内を探す。
- ・その後、迷ったということであれば、その左右、もしくは後ろ側。
- 全く不明の(迷った)場合
- ・最後に確認した確実な地点から、その先が検討も付かなければ、
最後に確認した確実な地点を中心に、移動時間を考慮して、移動できる範囲内。
- 問題図が地図上のどこかを探す以下の問題で、地図上を素早く探すことができる能力を鍛えてみましょう。