はじめに
地図の間違いが分かるには、最低でも中級レベル以上の読図能力が必要です。 ここでは、中級レベル以上の方を対象に、地図が間違っていたらどうするのかを説明します。
地図が信用できるか否かの判断
持参する地図が信用できるのか否かを判断するには、 尾根・沢がどのように記載されているか否かで判断可能です。
まず、スタート地点のまわりの地形(尾根・沢)状況を見て、 持参する地図でどこまでが記載されているかを判断する。
この結果、
- @記載されていない
- A記載されていれも曖昧
- B記載されていても甘い
@、Aであれば、信用出来ないことになります。
Bであれば、信用可能でしょう。
信用出来ない地図であれば、それに応じたルート設定が必要になります。 後述の「地図が信用出来ない場合のテクニック」を参照のこと。
地図の間違いを頭で修正する
信用出来ない地図を用いて山の中を進む場合は、常に現地と地図を 見比べて、地図を修正しながら進みますが、
信用できる地図でも、所々で現地と合わない箇所があるかもしれません。 そのような時でも、常に現在位置を親指読みで把握していれば、 地図の間違いに気付くはずです。
そのような場合は、頭の中で、ここはこういう風な感じかなと地図を修正します。
ここで重要なのは、親指読みで現在位置を確認しながら進んでいるということです。 これが疎かだと、地図が間違っているのか、自分が迷っているのか分からなくなります。
地図が信用出来ない場合のテクニック
- 手前から攻める(エーミングオフ)
地図が信用出来ない場合には、 目的地に対して、その手前の地点をチェックポイントに設定し、 そのチェックポイントから目的地までを現地特定区間とします。
すなわち、沢から尾根を越えて反対側の斜面に進む場合に、地図が信用出来ない以上、 尾根上の特徴物や、反対側の斜面の状況も信用出来ないとしてルート選択する必要があるからです。
その為には、尾根から反対側の斜面に下る場所をどこにするかを 現地の状況を見て判断するしかありません。
それを効率良くするためには、 沢から直接尾根上の下る地点を目指すのではなく、 下る地点より手前で尾根に上がり、そこから尾根上を下れる地点まで、 現地の状況を観察しながら、下る地点を特定する必要があります。
例)2万5000分の1地形図での鍋割北尾根越え
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より大きな地図で オガラ沢まで を表示 |
- ルート変更は臨機応変に
地図が信用出来ない以上、 目の前に現れた地形と、地図を照合し、現地と完全に異なる場合に、 それが危険を伴う状況なら、ルートを変更し、別なルートを考えるべきです。
例)2万5000分の1地形図での鉄砲沢の崖
危険は伴わないが、地図上は大きな沢だけなのに、沢以外にも尾根があるような場合には、 地図の間違いで修正可能であれば、間違いを受け入れて、なおかつ、 現地のその後の状況を予想して、ルート維持するのか、ルート変更するのかを 判断する必要があります。