地図の間違い部分の推定

最終更新日:2018/10/25

はじめに

地図の間違いが分かるには、最低でも中級レベル以上の読図能力が必要です。 ここでは、中級レベル以上の方を対象に、地図が間違っていたらどうするのかを説明します。

地図が信用できるか否かの判断

持参する地図が信用できるのか否かを判断するには、 尾根・沢がどのように記載されているか否かで判断可能です。

まず、スタート地点のまわりの地形(尾根・沢)状況を見て、 持参する地図でどこまでが記載されているかを判断する。

この結果、

@記載されていない
A記載されていれも曖昧
B記載されていても甘い

@、Aであれば、信用出来ないことになります。

Bであれば、信用可能でしょう。

信用出来ない地図であれば、それに応じたルート設定が必要になります。 後述の「地図が信用出来ない場合のテクニック」を参照のこと。

地図の間違いを頭で修正する

信用出来ない地図を用いて山の中を進む場合は、常に現地と地図を 見比べて、地図を修正しながら進みますが、

信用できる地図でも、所々で現地と合わない箇所があるかもしれません。 そのような時でも、常に現在位置を親指読みで把握していれば、 地図の間違いに気付くはずです。

そのような場合は、頭の中で、ここはこういう風な感じかなと地図を修正します。

ここで重要なのは、親指読みで現在位置を確認しながら進んでいるということです。 これが疎かだと、地図が間違っているのか、自分が迷っているのか分からなくなります。

地図が信用出来ない場合のテクニック

手前から攻める(エーミングオフ)

地図が信用出来ない場合には、 目的地に対して、その手前の地点をチェックポイントに設定し、 そのチェックポイントから目的地までを現地特定区間とします。

すなわち、沢から尾根を越えて反対側の斜面に進む場合に、地図が信用出来ない以上、 尾根上の特徴物や、反対側の斜面の状況も信用出来ないとしてルート選択する必要があるからです。

その為には、尾根から反対側の斜面に下る場所をどこにするかを 現地の状況を見て判断するしかありません。

それを効率良くするためには、 沢から直接尾根上の下る地点を目指すのではなく、 下る地点より手前で尾根に上がり、そこから尾根上を下れる地点まで、 現地の状況を観察しながら、下る地点を特定する必要があります。

例)2万5000分の1地形図での鍋割北尾根越え


より大きな地図で オガラ沢まで を表示
ルート変更は臨機応変に

地図が信用出来ない以上、 目の前に現れた地形と、地図を照合し、現地と完全に異なる場合に、 それが危険を伴う状況なら、ルートを変更し、別なルートを考えるべきです。

例)2万5000分の1地形図での鉄砲沢の崖

危険は伴わないが、地図上は大きな沢だけなのに、沢以外にも尾根があるような場合には、 地図の間違いで修正可能であれば、間違いを受け入れて、なおかつ、 現地のその後の状況を予想して、ルート維持するのか、ルート変更するのかを 判断する必要があります。



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