ルート選択

最終更新日:2012/06/16

事前のルート選択が重要。

行き当たりばったりで突っ込んでは、前進するも後退するも出来ない状況に陥るかもしれません。 そうならないためには、事前に地図でルートを考えて置き、同時にエスケープルートも考えて置きましょう。

ただし、あくまでも机上で考えるだけですので、実際に現地に行った時には、 目の前の状況を確認し、臨機応変にルート変更が出来る柔軟性が必要です。

事前のルート選択の最低限必要なことは、自分の体力・実力で安全に帰還出来るルートを選択することです。

初級のルート選択。

●考え方

基本は、不明瞭な道を進むので、登山地図に記載の破線ルートを繋いで 自分の行きたい場所を結んで、かつ自分の体力に合ったルートを選択すればよいでしょう。

なお、登山地図での破線ルートが持参する地図上でどこを通っているかを把握しておくことが重要です。

●チェックポイント

次に破線ルート上にある尾根・沢が、例えば以下のような地点(チェックポイント)を押さえておきます。

・ここで、分岐している
・ここで、曲がっている
・ここから、急になっている/平らになっている
・ここから、広くなっている/狭くなっている
●注意点

初級レベルであれば、途中でルートを変更するのは、多分無理かと思うので (すなわち、破線ルートが途中で沢山分岐しているとは思えない為) なにしろ、ルート変更よりもルート維持に全力を傾けること。

どうしても分からない場合は、元来た道を分かるところまで引き返すことが重要。 初級レベルの方は、決して山の中には入って行かないこと。

中級のルート選択。

●考え方

基本は、山の中でも線状特徴物(尾根・沢)を繋いでルートを決定する為、 目的の場所を決め、そこに到達するには、どの尾根・沢を進めば良いかを考えましょう。

普通は、歩いて気持ちの良い広目の尾根があれば、そこを選択すれば良いでしょう。 下る場合に、最後尾根が急になるのであれば、沢側に進路を変える等を考慮する必要があります。 (どちらにも下れないようなところはルート選択しない)

当然、途中の安全も考慮してルート選択する必要があります。 (わざわざ等高線の混んでいる尾根を選択するのは無謀)

枝尾根を下る場合に、下る地点が曖昧で、なおかつ、下る地点から枝尾根が見えない場合があります。 このような場合でも、山屋さんは、枝尾根の始まる地点から下りはじめることに固執する傾向にあります。 迷わないルート選択という観点からすると、これは非常にリスクの大きいルート選択になります。

すなわち、下る地点が曖昧かつ、下る枝尾根が見えていないという時点で 下る地点に明確な目印でもあれば別ですが、目立たないような目印では、 下る地点を探すだけで大変な労力になります。

下る地点を何とか特定しても、下る方向が特定出来ないと、これまた迷うリスクが高まります。

このような場合は、山屋さんの固定概念を取り外し、 迷わずに簡単に進めるルートを設定すれば良いわけです。

例えば上記の場合は、下り地点からさらに、何mか下り、 枝尾根が派生している方向にコンタリング(トラバース)して、枝尾根に乗れば良いのです。 ただし、コンタリングできないくらい、急な斜面や沢なら別ですが。。。。
●チェックポイント

次にそれぞれの線状特徴物へ乗る方法、分岐地点等のチェックポイントを押さえて置く。 チェックポイントを設定する地点は、初級レベルと同じです。

●注意点

中級レベルであれば、途中でルート変更することは可能なレベルなので、 危険を感じたら、地図が間違っている場合等、臨機応変にルート変更してもよい。 あくまでも先を読んで、危険が無い事を見越してルート変更することが重要である。

どうしても分からない場合や、危険を感じた時は、元来たところを撤退する勇気を 持つことが大事です。

例)鍋割真北尾根を下る場合の例(4ルート、チェックポイント:各マーカー)


より大きな地図で 鍋割真北尾根 を表示
チェックポイントの説明
青マーク:尾根が急になる地点
赤マーク:尾根の曲がり
緑マーク:尾根の曲がり
黄マーク:尾根が急になる地点

上級のルート選択。

●考え方

基本は、どこでも行けるので、 目的の場所を決め、どのようなルートで進むかのコンセプトを考え、 そのコンセプトに合ったルート選択をする。

コンセプトとしては例えば、

@なにしろ斜めに突っ切りたい。
A如何に早く到達するか。
B綺麗な場所と思われるところを地図上で想定して行きたい。
Cコンタリング・直進重視で行きたい。
Dルート上に数点のポイントを決め、そこを繋ぐ最適なルートで行きたい。

上級レベルになれば、地図上から上記のコンセプトに合ったルートを 選択することは容易なので、特にここでは記載しない。

●チェックポイント

次に選択したルート上のチェックポイントを事前に押さえて置く。 チェックポイントを設定する地点は、ルート上で地形の変化がある地点やある距離を進んだ地点を選ぶ。 従って、これらはいろいろなパターンがあるので、ルートを吟味して決定すれば良い。

例)初級レベルに加え、

・沢を3つ越えた尾根とか、
・尾根を20m下った地点とか
・斜面を50mコンタリングした地点とか
●注意点

上級レベルであれば、地図の間違いは把握可能かと思うので、 現地の状況で臨機応変にルート変更すればよい。

例)@なにしろ斜めに突っ切りたい。(鉄砲沢から尊仏ノ土平まで)

より大きな地図で 尊仏ノ土平まで を表示

主要なチェックポイントの説明

青マーク:広い浅い沢
赤マーク:尾根の分岐で、かつ尾根が急になる
緑マーク:右側の2番目の沢
黄マーク:沢の曲がり
例)@Aルート上に数点のポイントを決め、そこを繋ぐ最適なルートで行きたい。。(オガラ沢まで)

より大きな地図で オガラ沢まで を表示

主要なチェックポイントの説明

青マーク:尾根が急になる地点
赤マーク:沢と沢の間の尾根を越える
緑マーク:沢を2つ越える
黄マーク:広い沢を越える
紫マーク:広い沢を越える


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