実際の地形と地形図を見比べる

最終更新日:2011/11/18

【はじめに】

このページでは管理人の事ではなく、読図の基本ということで、地形図の中で地形の特徴をポイントし、その実際の地形を映像で確認してみます。 この映像を見て、地形図と実際の地形のイメージを頭に刻み込んで見て下さい。

【目次】

尾根と沢
鞍部とピーク
斜面
植生
登りの傾斜
おまけ(道の分岐)

【実際の地形と地形図を見比べる】

なお、この映像は、大倉から塔の岳に至る大倉尾根登山道近辺で撮影しました。

タイトルのカッコ( )内は、対象となる読図レベルを表しています。

説明図

図1(戸沢分岐〜塔の岳)
図2(駒止小屋手前〜戸沢分岐)
図3(大倉〜駒止小屋手前)

尾根と沢

山道で平らな部分を歩いて行くと、尾根は道が出っ張った(凸)ところ、沢は道が凹んだところになります。
●登山道に面した普通の尾根(初心者)

地図3のG地点の登山道に面した尾根です。 登山者にとっては、何も考えずに歩いていると、見落としてしまう程度の尾根ですが、この程度でも等高線で表わされる立派な尾根になります。 登山道を歩く場合には、この程度の尾根は非常に重要なチェックポイントになるので、この地形を理解して下さい。

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●なだらかな尾根(初級)

地図2のE地点の堀山から南に伸びる緩やかな尾根です。 登山者にとっては、この程度では尾根とは思わないかもしれませんが、この程度でも等高線で表わされる立派な尾根になります。 映像では、尾根っぽくは映ってはいませんが、この地形を理解して下さい。

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●広い尾根(中級)

地図2のG地点の堀山の東側にある広い尾根です。堀山から登山道を跨いで東側を映しています。 登山者にとっては、この程度の広さであれば尾根と感じられますかね。 なお映像では、途中に策があるため、それより先は映せませんでしたが、左側の沢が地形図よりもっと尾根の上部に切れ込んでいます。

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●細い尾根(中級)

地図2のI地点の堀山の家の手前の細い尾根です。 登山者にとっては、この程度の変化では見落としてしまうような細さかもしれませんね。 なお、地図上では、この尾根から左右に沢がありますが(左側は、地図2のH地点の沢です)、 実際は沢の方の幅が広く、この尾根は実際細い尾根(幅5mぐらい)ですが、この地形図では幅が結構広く強調してあります。

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●なだらかな沢(初心者)

地図3の@地点のなだらかな沢です。ここは大倉から西山林道に出る手前の山道の大きな沢の下部にあたります。 登山者にとって、この沢は、単なる大倉から西山林道への道でしかないかもしれませんが、ここが沢の中であることを 理解して欲しいところです。 なお映像では、沢の奥に入って行くと堰堤や、小さな尾根も見えますが、これらは地形図には表現されていません。

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●普通の沢
(中級)

地図2のH地点の狭い沢ですが、実際はもっと広い沢です。これは沢の表現の仕方が均一に等高線を引いているためで 沢の上部は急ですが、その下側が少しなだらか気味なので、本来は上部の下側に等高線の密度が広いところがあります。

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(初級)

地図1のD地点の沢です。このぐらいの沢が登山者には普通に認識できる沢ではないでしょうか。

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(初級)

地図1のF地点の沢です。これも登山者には普通に認識できる沢ではないでしょうか。

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(初心者)

地図3のA地点の沢です。これも登山者には普通に認識できる沢ではないでしょうか。

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●広めの沢(初級)

地図2のA地点の沢です。これは登山者にはちょっと沢という認識はない感じではないでしょうか。 地形図上もなんか凹んでいる感じかな。しかし、このような沢でも、地形図上も少し表現してありますので、しっかりとした特徴物として使えます。地形読みでは、これを沢として認識しなくては行けません。映像ではちょっと分かりづらいですが、少し棚のような感じの広めの沢です。

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●大きな沢(中級)

地図2のJ地点の大きな沢です。これは高山エリアでは普通にある沢です。

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鞍部とピーク

山道を歩いて行くと、ピークは一番高いところ、鞍部はピークとピークの間の一番低いところ
●鞍部(初級)

地図1のE地点の鞍部です。 花立山方向から下り気味に進んで来て、ちょっとピークを過ぎて、金令シへの階段の手前の地点です。 両方向が登っていて、この地点が一番低くなっています。

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●小さなピークと大きなピーク
(初級)

地図2の@の地図に記載のピークです。登山道から高さで4mぐらいの盛り上がったところです。

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(初級)

地図2のF地点のピークです。ここが堀山になります。ピークは平らですね。

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(初心者)

地図1のH地点の塔の岳山頂です。特に解説は必要ないですね。

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●地形図にないピーク(中級)

地図2のC地点とD地点の地形図にないピークです。地図2の@のピークは、地形図に記載があるが、 こちらのピークは記載がありません。ここら辺は、等高線間隔が10mのため、このくらいの高さでは 10mの等高線の通る位置により、記載が漏れるケースになります。

地図2のC地点
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地図2のD地点
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また、地図2のF(堀山)の先にも地図に表れないピークがあります。これらを補助曲線を使い表現しなおすと以下のようになります。 お分かりのように平らな尾根上に小さなピークが4個もありますが、表現してあるのは1個のみです。しかし、登山者にとっては、ここは平らな尾根道としてしか感じられないので、この4つのピークを意識している方はいないでしょうね。


(初級)

地図1のC地点の花立山です。ここは平らで広いですが、10m等高線の通る影響でピークとの記載はありません。

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(初級)

地図1のG地点の金令シから急な登り階段を上がった地点です。花立山が見えます。ここから少し下っていますので、 この地点がピークになりますが、地形図上には記載がありません。

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斜面

山道を歩いて行くと、左側が高く、右側が低い場合は、山の斜面を歩いています。
●左側が高い斜面と右側が高い斜面です(初心者)

地図3のC地点で、塔の岳に向う方向(左側が高い斜面)と、大倉に下る方向(右側が高い斜面)を撮影しました。 斜面も地図読みには重要な特徴物です。

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(左側が高い斜面)

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(右側が高い斜面)

植生

針葉樹、広葉樹、荒れ地
●針葉樹(初級)

地図3のB地点の針葉樹エリアです。これは杉の木です。とても手入れされていて気持ちいいところです。

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●広葉樹(初級)

地図2のK地点の広葉樹エリアです。針葉樹と広葉樹の違いを理解しましょう。

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●荒れ地(初級)

地図1のB地点の荒れ地エリアです。ここは花立山手前のガレ場です。木も小さな木しかありません。 山での荒れ地は、大きな木が生えてない、草地やガレ場のようなところです。

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登りの傾斜

大倉尾根の登りの傾斜
●花立山荘への階段

地図1のA地点、大倉尾根でも一番きついと感じる登りでしょうか。

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●戸沢分岐の先のなだらかな階段

地図1の@地点、なだらかですが、ここまで登ってくると、疲れで、これでもキツイ登りになります。

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●駒止茶屋手前の階段

地図2のB地点、初めなだらかで、最後急登になります。

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●ゆるやかな登り

地図3のF地点、見晴茶屋からの急登を登りきると、この傾斜の登りが続きます。

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●見晴茶屋の先の登り

地図3のE地点、ここから大倉尾根の本格的な登りになります。ここは初めきついです。

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おまけ(道の分岐)

道の分岐
●大倉尾根の道の分岐(初心者)

地図3のD地点、大倉尾根の道の分岐は、殆どありませんが、分岐には立派な道標があるので、 この道標を確認して行けば迷うことはありません。

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なお、川、崖とかは分かると思うので省略します。