オフトレラン詳細(2011.12.23 丹沢:茅ノ木棚沢の頭〜尊仏ノ土平間)

最終更新日:2012/04/08

【はじめに】

2011年12月に行った丹沢の茅ノ木棚沢の頭から尊仏ノ土平までの間のオフトレランに関して、ヤマレコでの記録に対して、 オフトレランのもっと詳細な記録を書いてみた。

1.詳細記録の書き方

解説時の章分け
詳細記録を記載する場合は、以下の章分けで記載する。
【ルート&選択理由】
【チェックポイント】
【ルート上の注意点】
【リスク】
【実施後の現地状況】

2.事前準備

◆計画段階での準備作業
今回のオフトレランを行うに際して、以下の点を事前に準備して臨んだ。
・ルート選択
・チェックポイントの設定
・ルート上の注意点を把握
・リスクを考える。

◆使用地図
・前回実施結果をもとに、2万5000分の1地形図が現地とかなり異なっていた。
  →原因は、関東大震災とその直後の丹沢地震で地形が大規模に崩壊したため。
崩壊事実を調べた結果は、
「やっぱりそうだったのか - moonさんの日記 - ヤマレコ」を参照。
・GoogleMapを見ると、等高線が修正された新しい2万5000分の1地形図が使われていた。
・リベンジでは、GoogleMapを印刷して持参した。

3.目次

目次
1)途中チェックをしなくてもいい区間(鍋割山→鍋割峠まで)
2)線状特徴物から線状特徴物への移動(峠→尾根分岐→沢→沢分岐→鞍部まで)
・峠から沢まで
・沢から沢分岐まで
・沢分岐から鞍部まで
3)森の中を進む(鞍部→斜面→尾根の分岐→沢→斜面→鞍部→尊仏ノ土平)
・鞍部から尾根の分岐まで
・尾根の分岐から尊仏ノ土平まで
4)最後に地図の違いについて




1)途中チェックをしなくてもいい区間(鍋割山→鍋割峠まで)


より大きな地図で 地図1 を表示
【ルート&選択理由】
・鍋割山から鍋割峠(青ピン)までは、登山道を下るのみ(赤線)。
【チェックポイント】
・鍋割山から尾根を下る際に、
まず鍋割峠方向の確認および右側に鍋割北尾根らしきものがあることを思いながら、次に、その後右側には、大きな沢が出現することを重要なチェックポイントとする。
【ルート上の注意点】
・地図は不要。山行前に地図を頭に入れておく。
・ここは、登山道が明確なのでチェックポイントを確認しさえすれば間違いはない。
【リスク】
・ただし、登山道を外しながら行くと鍋割北尾根方向に進む(青線)リスクがあるので方向確認要。
【実施後の現地状況】
・登山道は明瞭な為、特に問題なしだった。




2)線状特徴物から線状特徴物への移動(峠→尾根分岐→沢→沢分岐→鞍部まで)




鍋割峠から沢まで


より大きな地図で 地図1 を表示
【ルート&選択理由】
・今回のルートは赤線。
・下る尾根の分岐までは登山道を進み、下の沢(赤ピン)までは地図上で割りかし急でない尾根を選択。
【チェックポイント】
・稜線から下る尾根の分岐までのチェックポイントは、地図上と現地地形で確実な(地図の曖昧さがない)地点をチェックポイントにする。
すなわち、大きな変化のある稜線の曲がり、鞍部、登った地点をチェックポイントにする。
 地図上のマーク地点。
青マーク:尾根の曲がり、
赤マーク:鞍部、
緑マーク:登った地点(尾根の分岐)。
・詳細:以下のことを確認しながら親指読みして進む。
・鍋割峠(黄マーク)からは、一旦登り、登りきると、その後は平らな登山道になることを確認。
・平らな登山道を方向を確認しながら青マーク地点まで進む。
・青マーク地点からは、地図上の尾根の方向を確認して下って行く。
・その後、鎖場から鞍部(赤マーク)に下る。
・鞍部(赤マーク)では、右側の沢の状況と、沢の先の下る尾根を確認する。
・鞍部(赤マーク)から登り切ると、直ぐ右側に下る尾根の分岐(緑マーク)となり、下る方向が正しい事を確認する。
・下る尾根は、単純に下るのみのため、下る方向に尾根が伸びている事をチェックする。
【ルート上の注意点】
・稜線から下る尾根の分岐までは、稜線上で現在位置を常に把握し、チェックポイントを確認しながら進む。
・尾根の分岐(緑マーク)から沢までは、尾根を慎重に下るのみ。
【リスク】
・下る尾根の分岐(緑マーク)までで最大のリスクは、現在位置を見失うこと。そうなると、下る尾根を見失う為、この先に進めないことになる。
・その為、現在位置を見失わない様に鍋割峠より地図とコンパスを使用し、親指読みで進む。
・尾根の分岐(緑マーク)地点では、下れる尾根かどうかを見極める。
・本エリアは崩壊地の為、地図の間違いによる現在地見失いを防ぐ意味で、常に地図と現地を見比べ、地図の間違いを意識すること。
【実施後の現地状況】
・青マーク地点から少し先で尾根とは異なる手前の左側の斜面を登山道が下るが、 このことを意識しながら下り、最後尾根方向に登山道が伸びていることを確認(地形読みではこの意識が大事)し、問題なしを確認。
・鞍部(赤マーク)手前に長い鎖場がある。最初は特に問題ないが、最後鞍部に下るところが急になっていて、上からは下の鎖が見えないが、鎖は、一旦右に曲がり、そこから左の鞍部へ斜めに下っている。
・沢まで下る尾根は、途中から急になり、痩せていることもあり立っては下れないため木につかまりながら慎重に下る。

沢から沢分岐まで


より大きな地図で 地図2 を表示
【ルート&選択理由】
・今回のルートは赤線。
・前回の鞍部越えルートは、崖で先に進めず撤退したことで、沢迂回ルートが安全であることを事前調査で調べ、さらに、最後は直接鞍部へ到達するルートを選択した。
【チェックポイント】
・沢の場合も地図上と現地地形で確実な(地図の曖昧さがない)地点をチェックポイントにする。
この場合は、地形上で大きな変化のある沢の曲がり、分岐をチェックポイントにする。
地図上のマーク地点。
青マーク:沢の分岐、
赤マーク:沢の分岐、
緑マーク:沢の分岐と曲がり、
黄マーク:沢の分岐と曲がり、
紫マーク:沢の分岐と曲がり
・各分岐間の距離間隔は、左右の地形の変化を地図で把握しながら親指読みで進む。
・従って、あくまでも地図を基準に時間等を意識して進む為、正確な距離を測定する必要はない。
・あくまでも距離感は、周りの地形の変化状況からの感覚で意識すればよい。
・このような特徴物が多いところでの歩測は不要である。
通常、山行で歩測が必要な場所は、殆ど無いかと思います。 あくまでも地図と周りの地形の状況を把握していれば済みます。 歩測が必要な場所は、例えば、平面な特徴物の無い場所ということになります。

ただし、このような場所をわざわざルート選択する必要はないかと思います。 管理人は、オリエンテーリング用に歩測の練習してみましたが、はっきり言って才能は無いです。

方向を合わせて、その方向にコンパスを見ながら歩測して走る。 その間にも地図を読んで周りの状況を確認しながら走るのは、管理人の場合は、頭の中で同時に二つの事を 考えられないので、歩数を数えるのが途中で途切れてしまいます。 ということで、歩測する場合は、周りの地形を見ずに、方向だけを確認し、頭の中で歩数を数えながら走るのでしょうが

進む先に溝とか崖とか倒木とかいろいろな障害物があると、 それを乗り越えている間に歩数を忘れてしまう場合が多いので、管理人には向いていないと判断し、 あくまでも、方向と地図読みとルート選択だけで直進をしています。 なのでルート選択が不適切だと時々目的地より先に行ってしまうミスもありますが。。。

本当なら頭の中で歩数カウントと地図読みが同時に出来ればいいのでしょうが。。。。
・詳細:以下のことを確認しながら親指読みして進む。
・まず、右側に大きな2つの深い沢(青マーク,赤マーク)が合流することを確認する。
・次に平らな沢が左側に曲がり、しばらく進むと大きな平らな沢の分岐(緑マーク)を確認する。
・分岐(緑マーク)から左側から登ってくる平らな沢を下る。
・下っている時は、特に左右の小さな沢は気にせず、分岐(黄マーク)が見えてくることだけを意識して進む。
・平らな沢が右側に曲がり始めるところで左側に入る平らな沢の分岐(黄マーク)を確認する。
・分岐(黄マーク)から平らな沢が右側に曲がり、しばらく進むと再び大きな平らな沢の分岐(紫マーク)に出たことを確認する。
【ルート上の注意点】
・沢の中は、浮き石や、石と石の間の溝などで足を挫かない様に慎重に進む。
【リスク】
・下りられない滝が存在した場合は、撤退か尾根を迂回かを現地で考える。
【実施後の現地状況】
・この部分の鉄砲沢は、平らな部分のみで危険個所はない。
・水量も非常に少ない小川程度で、滑るとか水没の危険個所もない。

沢分岐から鞍部まで


より大きな地図で 地図3 を表示
【ルート&選択理由】
・今回のルートは赤線。
・前回の鞍部越えルートは、崖で先に進めず撤退したことで、沢迂回ルートが安全であることを事前調査で調べ、さらに、最後は直接鞍部へ到達するルートを選択した。
・今回は事前調査より以下のルートも考えられた。
・青線:手前の沢を詰めるルート。
・緑線:手前の尾根を登るルート。
これは共に紫マーク地点から先の沢が危険な場合に考えたが、紫マーク地点に来るまでの状況と沢内の等高線の傾斜が緩やかであることを見て、この先も危険はないと判断し赤線ルートを進んだ。
【チェックポイント】
・沢の場合も地図上と現地地形で確実な(地図の曖昧さがない)地点をチェックポイントにする。
この場合は、地形上で大きな変化のある沢の曲がり、分岐をチェックポイントにする。
地図上のマーク地点。
紫マーク:沢の分岐と曲がり、
青マーク:沢の分岐(Y字)、
赤マーク:沢の分岐、
緑マーク:沢の分岐、
黄マーク:鞍部
・各分岐間の距離間隔は、左右の地形の変化を地図で把握しながら親指読みで進むこと。
・詳細:以下のことを確認しながら親指読みして進む。
・紫マーク分岐からは、右側の平らな沢を登る。
・直ぐ、左側に大きな沢が分岐していることを確認。
・エスケープルートとして、この沢を登る場合(青線)と、この沢の右側の尾根を登る場合(緑線)で通行可能かを見て確認しておく。
・さらに両側が急な斜面になり、沢が左側に曲がりしばらく進むと、Y字の沢の分岐(青マーク)を確認。
・ここは右側の平らな沢を進み、直ぐ、右側に沢が分岐している赤マーク地点を確認。
・右側の沢は、前回撤退した鞍部の先の沢側で、ここが崖になっていることを一応確認。
・さらに進むと、Yの字の沢の分岐(緑マーク)を確認し、左側の沢の方向を確認後、沢を登って行く。
・鞍部までは、進めるところを選んで進む。今回は沢の途中から右側の尾根に取り付いた。
【ルート上の注意点】
・沢の中は、浮き石や、石と石の間の溝などで足を挫かない様に慎重に進む。
・最後の沢の緑マーク分岐からは、沢を詰めれば良い。
  ・ここでは、沢を登る前に方向、周りの地形を確認すること。
      ・地図記載と現地が違っていないかを確認するため。
【リスク】
・登れない滝が存在した場合は、緑線ルートで進む。
【実施後の現地状況】
・この部分の鉄砲沢は、平らな部分の為、滝は1.7mが1個のみ。
・水量も非常に少ない小川程度で、滑るとか水没の危険個所はない。
・鞍部へ登る沢が、途中急な斜面になり滑るため、右の尾根側を斜めに直登した。




3)森の中を進む(鞍部→斜面→尾根の分岐→沢→斜面→鞍部→尊仏ノ土平)




鞍部から尾根の分岐まで


より大きな地図で 地図4 を表示
【ルート&選択理由】
・ここからは、ルート選択でどこを進むかを考える。
・登山道重視であれば、青線A:オガラ沢峠の先のピークまで進み、鍋割北尾根を進むルート。
・線状特徴物を繋ぐ場合は、緑線B:沢を詰めるルート。
・最短距離重視の場合は、赤線C:直進ルート。
・今回は、赤線Cの直進ルートを選択した。
・まず鞍部(黄マーク)から青マーク地点までは、沢を下るのみ。
・青マーク地点から尾根の分岐(緑マーク)までは、斜面に沿って登り気味(ここが重要)にコンパスで方向を確認しながら進めば良い。そのまま斜面を右側に直登しても尾根に出るだけなのでここで迷うリスクは低い。
ただし、登り気味に斜面を進めば問題ないが、これが下り気味に進むと黄線Dのような瞑想ルートになるので注意すること。
・途中、広い沢(赤マーク)を確認後、尾根に直進すればよい。
【チェックポイント】
・ここからは、単純な地形を繋いで行くため、その分岐点をチェックポイントにする。
まずは、沢を下った先の大きな沢の分岐、斜面を登り気味にコンタリングした先の緩やかな大きな沢チェックポイントにする。
地図上のマーク地点。
黄マーク:鞍部、
青マーク:大きな沢の分岐、
赤マーク:緩やかな大きな沢、
緑マーク:尾根の分岐
・詳細:以下のことを確認しながら親指読みして進む。
・鞍部からは左側の沢を下る。
・下って行くと左右に大きな沢に出る(青マーク)。
・大きな沢を渡り、反対の斜面に取付く。
・方向を目的の尾根に合わせ、斜面を登り気味にコンタリングして行く。
・登り気味にコンタリングする場合は、常に前方の遠いところを見て、進むべき方向で自分の位置より高い地点を目標に定めてその位置まで進むを繰り返す。
・右側に稜線が見えてくれば、緩やかな大きな沢に出る(赤マーク)。
・ここで重要なのは、コンパスでの直進技術である。
・このような斜面でも細かくコンパスで方向を確認しながら進むこと。
・コンパスでの確認を疎かにすると左側にずれて行くことが考えられる。
・あとは、目標の尾根の分岐(緑マーク)に向って直進すれば良い。
【ルート上の注意点】
・沢を下り斜面を進むだけなので、特になし。
【リスク】
・鞍部から沢を下る場合に、崩壊等で沢が深くえぐれていた場合は、左右どちらかの尾根線を下る。
・赤マークへ登り気味にコンタリングするが、はじめ登り気味に進んでも、途中から等高線沿いに進むとか、下り気味に進むと、紫マークの似たような地点に出てしまうリスクがある。
その場合でも尾根線の方向を確かめれば、間違いに気付き、このリスクを頭に入れておけば赤マークヘの復帰は容易である。
【実施後の現地状況】
・鞍部(黄マーク)から沢を下るのは、特に問題ないが、途中から沢が深くなってきた。
・大きな沢の分岐(青マーク)では、結構深くえぐれていて、反対側に渡るのが難しいので、少し上流側に向い、渡れるところを探して渡った。
・斜面を登り気味にコンタリング開始すると、進むべき方向に獣道があったので楽に進んで行けた。
・そのまま獣道を進み途中から無くなったので、構わず登り気味に進み、右側に稜線が感じられて、ゆるやかな大きな沢(赤マーク)に出た。
・ここからは右側には稜線が見えているので、そのまま稜線まで進む手もあるが、そのまま直進して尾根の分岐(緑マーク)に到着した。

尾根の分岐から尊仏ノ土平まで


より大きな地図で 地図5 を表示
【ルート&選択理由】
・ここから先は登山道的なものは無い為、ルート選択は
・コンタリング重視で赤線A:コンタリング(トラバース)を含む直進ルート。
・線状特徴物を繋ぐ青線B:尾根・沢ルート。
・あくまで直進重視で緑線C:体力勝負の尾根越えの直進ルート。
・今回は、赤線Aのコンタリング直進ルートを選択した。
・尾根の分岐(緑マーク)からは右側の尾根を下り、大きな沢に下りて、
その曲がり具合が北方向になる前に(青マーク)コンタリングエリアへ入り、
コンタリングエリアを斜面に沿って進み、途中の沢(赤マーク)を確認し、
下り気味に進んで大きな沢の曲がり(黄マーク)へ到達し、
そこから鞍部(紫マーク)へ直進し、さらに尊仏ノ土平まで斜面を下ればよい。
【チェックポイント】
・ここからは、尾根線、沢線、斜面を繋いで行くため、その分岐点をチェックポイントにする。
まずは、尾根を下った先の大きな沢の曲がり、沢、大きな沢の曲がり、鞍部をチェックポイントにする。
地図上のマーク地点。
緑マーク:尾根の分岐、
青マーク:尾根を下った先の大きな沢の曲がり、
赤マーク:沢、
黄マーク:大きな沢の曲がり、
紫マーク:鞍部
・詳細:以下のことを確認しながら親指読みして進む。
・尾根の分岐(緑マーク)から尾根を下る場合は、現地の斜度を見ながら安全なルートを選択する。
・右側の尾根をしばらく下り、途中から右側の大きな沢に下り、
その大きな沢を進み、大きな沢の曲がり(青マーク)へ到着し、コンタリングエリアの斜面へ取付く。
・コンタリングエリアから鞍部手前までは、斜面に沿って高度を保ちつつ進めばよい。
・途中赤マークの沢を確認しながら、最後は、大きな沢に下りて、沢を詰める。
・赤マーク地点を確認しさえすれば、特に迷うというリスクはない。
・鞍部(紫マーク)の下側の黄マーク地点は、大きな沢が曲がっている地点の為、
 黄マーク地点より手前で大きな沢に下りて、この沢を上流に進んでいる分には、黄マーク地点を間違える心配はない。
・鞍部手前から尊仏ノ土平までは、斜面を登り、斜面を下ればよい。
・黄マーク地点から鞍部(紫マーク)までは、単純に斜面を登れば良いので問題なし。
・鞍部(紫マーク)から尊仏ノ土平までは、鞍部からは、下りきって大きな沢に出れば問題なく
・あとは、正面の尾根を越えて、尊仏ノ土平小屋跡まで林の中を直進すればよい。
【ルート上の注意点】
・尾根の分岐(緑マーク)から尾根を下る場合は、現地の斜度を見ながら安全なルートを選択する。
・進むべき尾根線が斜度の影響で左右どちらかにエスケープする必要がある場合は、エスケープした事実を頭に入れて読図する。
・コンタリングエリアで高度を登り気味に進むと、赤マーク地点より上側で赤マークの沢(青矢印)に到達するため
その曲がり具合だけを見て緑マーク地点と勘違いするケースがある。
ただし、傾斜角度を見れば、緑マーク地点ではないことに気が付くはず。
【リスク】
・崩壊等で尾根線も沢線も下れない場合は、引き返す。
【実施後の現地状況】
・尾根の分岐(黄マーク)からは、はじめ左側の尾根を下り、斜度が緩くなってから右側の尾根に進む予定だったが
20mぐらい下ると、尾根も急に、沢も急になったため、少し戻り、沢上部で右側の尾根にトラバースした。
しかし、この沢が細かい砂利で構成されていたので斜度があり、なおかつ滑るので注意。
このような状況なら初めから右側の尾根を下るべきだった。
・右側の尾根をしばらく下り、尾根も急になってきたので、
赤矢印地点で、沢側の方が土の斜面で気持ち良く、斜度も下れる程度である為、沢を下る。
下った先で沢を渡り、その先の斜面に進んだが、そこがコンタリングエリアと勘違いした。
ここで地図を良く見ると、目的のコンタリングエリアは、まだ北側だったので勘違いに気付く。 どうもコンタリングエリアを重点に地図を見ていたので、その手前を意識していなかった為、 沢を横切った時点で、目の前の綺麗な斜面を見て、ここがコンタリングエリアだと勘違いしたようだ。
 そのまま下の大きな沢に下りて、その大きな沢を進み、大きな沢の曲がり(青マーク)へ到着した。
・コンタリングエリアは、斜度も適当にあり、気持ち良くは走れなかったが、
大きな沢沿いのコンタリングエリア側は、平らで見通しも良く走れる部分が広がっていたので
こちらを走った方が早かった。
・コンタリングエリアは、途中に沢(赤マーク)があるのを確認し、そこから大きな沢側に斜めに下った。
・大きな沢に下りてからは、上流方向に進み、直ぐに大きな沢の曲がり(黄マーク)に到着した。
・大きな沢の曲がり(黄マーク)からは、鞍部が見えているため、単に直登すればよい。
実際、1/3ぐらい登ると登山道に出くわした為、以後は登山道を進んだ。
・鞍部に到着し、右側の斜面を見ると急だったので稜線を少し右側に進み、
下り易い尾根を見付けたので、その尾根を下り、最後、枝沢沿いに下って行き、大きな沢に到達した。
・大きな沢では正面に広い河原が見えたので、まずは正面の尾根を越えて、開けた林に到達し、
そこからは、尊仏ノ土平の小屋跡にコンパスを合わせて林の中を直進し、直ぐ小屋跡に到着した。




4)最後に地図の違いについて

登山道を進む分には国土地理院の2万5000分の1地形図で十分ですが、 登山道から外れて森の中を進む場合には、2万5000分の1地形図より正確な地図があれば それを持参するに越したことはありません。

今回のオフトレランでチェックポイントを設定した箇所に関して、 国土地理院の2万5000分の1地形図と、GoogleMapの地図を比較して、 国土地理院の2万5000分の1地形図でオフトレランが可能だったかを検証してみた。

○:問題なし。

この程度の等高線の記載であれば、十分理解可能である。

△:なんとか分かるか

地図上の周りの状況を見れば、実際の地形がどうなっているかは察しが付くので、地図の等高線の記載が甘め(本来は深く切れ込んでいるが、緩やかに書いてある等)に書いてあると理解すれば問題なし。

?:地図の間違いに気付けるか

親指読みで現在位置を確認しながら進んでいても地図を鵜呑みにすると自ら迷うことになるが、地図の間違いに気付けば問題なし。

×:記載なし

親指読みで現在位置を確認しながら進んでいれば、地図に記載が無いと確信できるので問題なし。現在位置確認を疎かにしていると、違った場所に来てしまったのではないかとパニックになる。

地図1(鍋割峠から沢まで)
 
○青マーク:尾根の曲がり
○赤マーク:鞍部
○緑マーク:登った地点(尾根の分岐)
・稜線上の登山道を進む場合は、特に問題なし。
・この部分は、崩壊エリアになるが、最初の尾根の下りは、完全に両者で異なるが、単に沢まで下ればよいので、違いがあっても特に問題とはならない。
地図2(沢から沢分岐まで)
 
?青マーク:沢の分岐
?赤マーク:沢の分岐
○緑マーク:沢の分岐と曲がり
○黄マーク:沢の分岐と曲がり
○紫マーク:沢の分岐と曲がり
・最初の沢の分岐は、国土地理院では、二つの沢が一つになって、その合流口がかなり広いエリアのように記載してある。 このため、実際とは全く違うが、距離と周りの状況を見れば、地図の間違いに気が付くはず。
・GoogleMapでは、GPSルートが沢を外れています。
・その後の大きな沢の分岐と曲がりでは、上空から見た観点で沢全体をイメージすれば、まあ、こういうものだと理解できる。
地図3(沢分岐から鞍部まで)
 
○紫マーク:沢の分岐と曲がり
×青マーク:沢の分岐
○赤マーク:沢の分岐
△緑マーク:沢の分岐
○黄マーク:鞍部
・青マーク地点は、国土地理院では記載が無いが、このY字の沢の分岐は、左側の沢が奥で登っているので こちらが沢の本流と間違うことはない。さらに距離的な位置関係もあり、左側の沢に入り込むことはないので問題なし。
・緑マークの鞍部側に進む沢の分岐では、国土地理院では、赤マークの沢の分岐と緑マークの沢の分岐が同時に三俣の分岐のようにも 見えるが、等高線をよく見ると確かに赤マークの方が先に分岐になり、その直ぐ先では、今までより沢内が広くなり、その先に緑の分岐があるように 見える。そのため、現地に行けばそれなりに分かるかと思う。
・鞍部自体は、地図から分かるので問題なし。
地図4(鞍部から尾根の分岐まで)
 
△黄マーク:鞍部
○青マーク:大きな沢の分岐
×赤マーク:緩やかな大きな沢
△緑マーク:尾根の分岐
×紫マーク:迷い尾根分岐
・鞍部から沢に下る部分が、国土地理院では平らな部分から北側に沢があるのが見える。 実際は、平らな部分ではなく大きな沢状で、その先が北側で狭い沢に通じているので、 それを単純に下って行けば良い為、特に問題ないか。
・沢を下れば大きな沢に出るので、これは問題なし。
・青マークから赤マークに掛けては、全く詳細な記載がない。 従って国土地理院の地図を見てオフトレランを行う場合は、赤マーク地点は単に通過点で、素直に稜線目指して斜め方向に登りながらコンタリングすればよい。
・もし迷って紫マーク地点に行ってしまった場合は、地図に記載がないので位置を特定することは出来ないが、距離と方向と斜面を通過してきたことから、 大体紫マーク辺りに居るだろうと察しが付くので、緑マーク方向に修正するのは容易です。
地図5(尾根の分岐から尊仏ノ土平まで)
 
△緑マーク:尾根の分岐
○青マーク:尾根を下った先の大きな沢の曲がり
△赤マーク:沢
○黄マーク:大きな沢の曲がり
○紫マーク:鞍部
・緑マーク地点から北側の尾根の分岐は、なんとなく尾根が分岐しているように記載してあるので 現地の分岐を見れば、分岐があるんだと思えるので問題なし。
・青マークの大きな沢の曲がりは、大きな沢が記載してあり、曲がっているので特に問題なし。
・国土地理院では、コンタリングエリアには沢らしき曲線があり、実際は赤マークの明確な沢がある。 これは確実にコンタリングエリアに入り、方向を確認して走行していれば、 地図では明確でない沢が出て来ても、「これが地図上の沢らしきとこね」と判断出来るので問題なし。
・ただし、気を抜いて現在位置確認を疎かにしていると、赤の沢が出て来た時点で、 自分はコンタリングエリアではなく、違う場所にいるのではと地図上を探し始めるとドツボにハマる。
・黄マークから先は、特に問題なし。
結論
国土地理院の2万5000分の1地形図を用いた場合でも、地図に記載が無いと理解できれば、特に問題なく、オフトレランが出来る。



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